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■間取り決定

 前述のように、1.妻が間取りを気に入ったこと、2.対応が迅速なこと、3.費用がリーズナブルであること、4.ネットの評判も良好であることから、(株)大熊工務店に建築を依頼することにした。プランの打ち合わせに入る。
 まず、間取りであるが、妻は、最初に提示された間取りがかなり気に入った様子で、大枠はそのままでお願いすることにした。また、作りつけの家具もある程度はOKのようなので、ダイニングに収納棚を作ってもらうことにした。さらに、ウォークインクローゼットは、現在使用しているお気に入りの家具が収納できるように形状を決めてもらうことにした。細かな要求に応えてもらえることが妻にはうれしいようだ。ハウスメーカCとは対応が全く異なっている。
 私は、間取りにはほとんどこだわりはない。ただ、自分の書斎は、音楽を楽しめるように、防音性能を高めるようにお願いした。大熊工務店の担当者の専務さんは、防音性能が高い部屋作りは過去に経験があるようで、色々な提案をしてもらった。まず、窓はできるだけ小さくして2重とし(インプラス付きとし)、扉は防音性の高いものを採用することにした。さらに、定在波ができにくいように、部屋の形を長方形ではなく、少し斜めとなるような形状とし、壁内には防音材を封入することとした。こういう提案をしてもらえるのは非常にうれしい。家造りの楽しみである。おそらく、同様の感想を妻も持っていると思う。 


■仕様決定

 私は、1.断熱性、2.耐震性、3.耐久性についてはできるだけ高く設定したいと考えている。具体的には、品確法の基準で断熱性→等級4、耐震性→等級3、耐久性→等級3にできればと思っている。断熱性の等級4は次世代省エネ基準に適合する性能である。耐震性の等級3は建築基準法の1.5倍の性能である。耐久性の等級3は構造躯体が75〜90年もつ性能である。打ち合わせの詳細を以下に書く。 


■仕様決定(断熱性1)

 まず、断熱性であるが、これは、前にも書いたが、モデルハウスは、15畳用のエアコン(5kw程度の出力?)1台で家全体が暖まる程度の断熱性を有しているので、おそらく等級4は確保されているだろうと考えていた。しかし、矩計図をもらって検討してみると、次世代省エネ基準には適合しておらず、新省エネ基準(等級3)を満たす仕様であった。
 当初の打ち合わせでは、「うちは断熱材だけでも70万円程度をかけているので、それだけ考えてもハウスメーカに比べてお得ですよ。」というような話があったので、次世代省エネ基準は満足しているのであろうと思っていた。しかし、仕様書をよく見ると「新省エネ基準に適合」と書いてある。確認しない私が悪いのだが、誤解を招く発言があったことも事実である。何が標準で何が標準でないのかは明確にして欲しいと思う。
 そこで、担当者の専務さんにメールで確認したところ、やはり次世代省エネ基準は満足していないとの返事があった。そこで、次世代省エネ基準を満足するように仕様変更をお願いするとともに、変更に係る見積もりをお願いすることにした。
 現行(標準仕様)では、壁には10cm厚で16kgのグラスウール(GW)が、また、天井と床には4.5cm厚のネオマフォームが充填されているようだ。次世代省エネ基準を満足するようにするためには、まず、天井を4.5cm+5cmのネオマとし、壁を4.5cmのネオマにするようだ。ただ、4.5cmのネオマと10cmのGWとは断熱性は殆ど変わらないのだが、ネオマを三角形に切って柱と筋交いの間に隙間無く埋め込むことで、気密性と断熱性を向上させるようだ。費用は50万円程度かかるようだ。
 天井のネオマ追加については、次世代省エネ基準に適合するためには必須である。また、吹き抜けとロフトがあるので、夏の暑さを防ぐためにも天井のネオマは是非欲しい。問題は、壁である。4.5cmのネオマと10cmのGWとは断熱性はほとんど変わらないので、柱と筋交いの間に埋め込むことで、どれだけ差があるのか分からない。そこで、ネットで評判が高い「住まいの水先案内人」に申し込みをして、アドバイスをもらうことにする。
 住まいの水先案内人の堀さんのアドバイスによれば、ネオマと柱および筋交いの隙間を少なくするように施工すれば、断熱性が確実にアップするので、その点に留意できれば、薦められるとのことであった。検討の結果、ネオマを壁にも施工してもらうことにした。 


■仕様決定(断熱性2)

 断熱材の仕様が決定したので、念のためにその時点での間取りにおけるQ値を計算してみることにした。サッシの種類によって断熱性能が大きく変わるようだが、標準仕様となっているトステムのデュオPG(熱貫流率4.07)の場合について計算してみた。家全体のQ値は約2.0となった。まずまずの性能である。サッシをトステムのシンフォニー(熱貫流率2.33)に変更した場合についても計算すると、Q値は1.53となった。やはり開口部分の断熱性が家全体の断熱性能に大きく影響するようだ。
 断熱性能からいえば、真空サッシが最も断熱性が高い(熱貫流率0.9)のだが、値段も高いので全ての窓にこれを使うことはできない。
 また、サッシについては、断熱性も重要であるが、夏の日射しを遮ることも重要である。そこで、西側の窓については金属膜が外側のガラスに貼られたLow−Eサッシとし、東側および北側の窓については金属膜が内側のガラスに貼られたLow−Eサッシとすることにした。また、寝室の窓については、試しに真空サッシを導入することとした。真空サッシの使用感については後でレポートする。
 以上のような変更についても見積もりをお願いした。見積書によると標準仕様からの追加費用は約30万円程度であるようだ。Q値が約0.5上昇して30万円である。ちなみに、室温を20度上昇させるために必要となる熱量は、Q値が2.0のときと、1.5の場合ではその差は1.3kwとなる。灯油に換算すると1時間あたり0.15リットルである。1日16時間で1ヶ月に換算すると、72リットルも差が出る。かなり大きいのではないか。
 なお、最終的なプランにおけるQ値は、ここで、計算したものから少し変わっているので、こちらを参照して欲しい。


■仕様決定(断熱性3)

 Q値を計算する際に気になったのが、換気によって失われる熱量が家全体から失われる熱量の20%程度を占めることである。次世代省エネ基準よりも更に次の基準では、壁の断熱はそこそこにして、開口部(窓)から失われる熱と、換気によって失われる熱を防ぐことを重視するようだ。
 ネットで調べていると、熱交換機を用いる換気システムがあることに気づいた。その中でも、ダイキンの換気システムは、光触媒を含むフィルタを介して外気を室内に導入するので、花粉症にもいいらしい。我が家は妻も私も花粉症に悩まされているので、これはいいかも知れない。熱回収率が70%として計算すると、Q値も前述の1.53が1.32程度になるようだ。
 とりあえず、このような換気システムについても見積もりをお願いした。専務さんは「うちはダイキンさんとは取引が多いので、安くなると思いますよ。」とのこと。これは期待できるかも知れない。


■仕様決定(耐震性1)

 耐震性能を検討する前に、建築方法を決定する必要がある。標準では軸組工法を採用している。しかし、大熊工務店のHPによれば、2×4または2×6工法も施工可能であるらしいので、その点について、打ち合わせをした。しかし、2×4と2×6については、やんわりと断られた。軸組の方が施工実績が高いので、そちらの方が得意なのかも知れない。ただ、軸組でも筋交いの本数を増やしたり、耐力壁を使用したりすることで、2×4および2×6と変わらないまたはそれ以上の地震耐性を得ることはできるようなので、軸組工法でお願いすることにした。但し、品確法での耐震等級が3に近づくように設計をお願いすることにした。
 自分でも耐震性能について計算してみた。なお、建てようとする家は瓦屋根なので、耐震係数が少し高くなるようだ。現時点での間取りプランに基づいて実際に計算してみると、それぞれの等級における必要壁量(X方向、Y方向の少ない方の壁量)は以下のようになる。
 
等級 必要壁量(1階) 必要壁量(2階)
1,896 1,143
3,657 2,204
4,350 2,645

 敷地の形状による制限で、建物の断面形状が東西に長い長方形となってしまうため、幅の狭い南北方向には筋交いおよび耐力壁をたくさん入れる必要があるように思われる。


■仕様決定(耐震性2)

 耐震性の等級を3にする場合、ダイニングの突出した部分の一方の壁は面取りをせずに、L字形状として欲しいとの呈示があった。妻は、当初は反対したが、地震に対しては、不安があるようなので、この仕様で応じることにした。
 間取りが大方決まったので、構造計算をしてくれることになった。できあがった構造計算書によれば、やはり南北方向の幅が狭いので、かなり多めに耐力壁と筋交いを入れているとのことであった。耐震性3はおそらく確保できているだろうとのことであった。
 また、構造計算書では、剛心と重心との偏りも計算されていた。剛性の中心である剛心と、ゆれの中心となる重心とのずれを小さくすることにより、地震のときでも建物のゆれを抑えることができるそうだ。算出されたずれは、許容範囲内に収まっているようだ。
 2階建ての木造は、一般的には構造計算をする法的義務はないようだが、構造計算をしてくれることで、安心感が持てる。ただ、施工がきちんとしなければ、計算上の強度は得られないので、施工についてもきちんとしてもらいたいところだ。
 とりあえず、できあがった構造計算書と平面図等を「住まいの水先案内人」の堀さん宛にメールで送る。翌日には返事が届き、「必要書類が全て揃っていませんので、評価書はまだ作成しませんが、一見したところ耐震性は高そうです。」とのコメントが記載されていた。やはり大熊工務店にしてよかったかも知れない。


■仕様決定(耐久性)

 耐久性についても打ち合わせをしたが、耐久性については耐震性等に比較すると、多少ファジーな部分もあるそうだ。おそらく、耐久性については、全体のバランスが等級を決定するようなので、そのあたりが関係するのかも知れない。ただ、品確法上は、仕様が明確に定義されているので、等級3を満足するように、設計をしてもらうことにした。


■設計変更&仕様変更の見積もり(3月4日)

 妻は、家の外観が少し単調であることが気になるらしい。吹き抜けの上部に切妻を設けて、屋根の形状をもう少し複雑なものにしてもらいたいようだ。マンションの引き渡し時期(7月末)を考えると、いまから設計変更をするのは少し難しい気がする。また、屋根の形状が複雑になると、接合部分が増えるため、雨漏りが発生する確率が増えそうだ。私としてはいまのままの方が無難だと思った。しかし、妻は外観のデザインにこだわりがあるようなので、相談してみることにした。設計担当の建築士さんにその旨を伝えると、設計の変更は問題ないとのことであった。また、形状が複雑になると、単純な場合に比較すれば雨漏りが発生する確率は確かに上がるが、それでも確率としては非常に小さいものだし、また、それ(形状が複雑になったこと)を理由に責任を回避することはない、とのことだった。そこで、現状のプランと、複雑にした場合のプランの2種類を作成し、これらを比較した上で判断することになった。
 また、妻は、ダイニングが狭いので、テーブルの代わりに、カウンターキッチンに収納式のテーブルを付け、吹き抜けに簡単な長いすを設けたいらしい。その旨を伝えたら、長いすについては、追加費用無しで付けてもらえることになった。また、収納式のテーブルについては建具屋さんにお願いすることになるので、追加費用が発生するようだ。見積もりをお願いすることにした。
 さらに、窓の種類をもう少しデザイン性を重視したものに変更し、また、窓の位置もバランスを考慮した配置としてもらうことにした。こちらも設計変更になるのだが、快く応じてもらえた。妻も満足したようだ。
 それから、仕様変更に関する見積もりをもらった。おもな仕様変更は、以下の通りである。
(1)エコキュートの容量を370リットルから460リットルに変更
(2)サッシをデュオPGからシンフォニーのLow−E(一部真空ガラス)に変更
(3)24時間換気をダイキンの光触媒+熱交換機付きのものに変更
(4)天井部分に5cm厚のネオマフォーム追加
(5)壁内の10cm厚16kgのグラスウールを4.5cm厚のネオマフォームに変更
費用は全部で150万円近くになるようだ。予算オーバーである。地盤改良工事が必要になるかも知れないので、地質調査の結果を待って再度検討することにする。
 帰りの車の中で、妻は上機嫌であった。設計変更の依頼をあっさり受け入れてもらったのがよほどうれしかったらしい。交渉する前は、工期的に余裕がないので拒否されると思っていたようだ。それでも、妻にとって、屋根の形状とサッシの配置は譲れないらしく、厳しい交渉になるかも知れないと思って、前の日は明け方の3時頃まで寝られなかったそうだ。あっさり受け入れてもらえたので、気が抜けたのかも知れない。


■仮設計図完成(3月5日)

 設計担当者の方から設計図がメールで届いた。印刷して妻に手渡した。妻の表情が明るくなった。「すごい。お願いしたことが全部反映されているよ。こんなにかっこよくなってるし・・・。」。
 前回の外観に比べると、かなりモダンな感じの外観になっている。吹き抜け上部に設けられた切妻がアクセントになって少し単調だったイメージが改善されている。窓も幅の細いタイプのものに変更され、引き締まった感じを受ける。1階と2階の窓の位置のズレが修正されたので、整然とした印象を受ける。
 手付け放棄して土地の購入を諦めようとしていたときに比べると、妻の表情が明るくなってきたことが私にはうれしい。


■引き渡し前物件下見(3月11日)

 大熊工務店で建築中の建物と、引き渡し直前の建物と、築後何年か経った建物を見せてもらった。建築中の建物は、我々が建てようとしている家と間取りがかなり似通っていたので、参考になった。現場はきちんと整頓されていて、床等の養生もしっかりされているように見受けられた。大工さんの一人は気さくな人で、色々と話をした。「和室は、あまり使う機会がないので、造らない方がいいかも。」というような話もあった。ところで、現場で少し気になったのが、1階部分のサッシにおがくずがかなり付着していることだった。サッシは資材を搬入するために開け閉めするので、養生ができないため仕方がないのかも知れないが、もう少し何とかならないのだろうか。
 次に、築後何年か経過した建物を見せてもらった。人が住んでいるので、内部は見られなかったが、外観には凝った意匠が施されていた。南仏プロバンス風なのだそうである。妻は、「こういう感じもいいね。」と言っていた。また、それ以外にも何軒か見せてもらったが、皆それぞれに異なる意匠が施されていて、施主のこだわりが伺える。
 最後に見たのは、引き渡し直前の建物だった。中に入った瞬間に、妻は「すごい。この建物が欲しい!」と言った。1階は23,4畳程度のリビングがあり、2階部分が中二階になっているのでその分だけ天井が高くなっており開放感がある。リビングに設けられた階段を上ると、中二階の前を経由して、高い天井を誇る2階にたどり着く。間取りもかなり考えられているうようで、部屋の配置に無駄がない。また、書斎の前にはホールのような小空間が設けられており、アクセントになっている。それぞれの部屋には、その部屋の持ち主に合わせたデザインの壁紙が施されていて、楽しい感じを受ける。
 はっきり言うと、原市にある大熊のモデルハウスよりもこちらの方がずっといい。サッシは全て樹脂サッシを使っており、また、断熱材もネオマフォームを充填しているようだ。かなり、お金がかかっている。
 以前、大手ハウスメーカが建てた土地込みで6000万円近い物件を見て、あまりの建物の貧弱さに、ばかばかしさを憶えたことがあるが、この建物であれば、例え、それくらいか、それ以上したとしても、そんな感じは抱かせない。
 今回、色々な建物を見せてもらったが、デザインや間取りはかなり凝っているように感じた。それぞれの施主がどのような理由で大熊工務店を選んだのかは知る術もないが、そのうちの何人かは、おそらく、我々のように、大手のハウスメーカで建てようとしたが、プランが自由にならずに、諦めて乗り換えた人もいるのではないか。もちろん、費用的な面もあるだろうが・・・。


■3Dマイホームデザイナー(4月1日)

 メガソフトが販売している3Dマイホームデザイナーというソフトを購入した。早速、現時点での家の間取り等を入力して3次元モデルを作成してみた。しかし、我が家の間取りは、ロフトが突出した形状となっているため、屋根が自動的には生成されないようだ。仕方がないので、壁と屋根を1枚ずつ作成して組み立てた。以下が、できあがった外観図である。残念なことに、ロフトの壁に取り付けられた窓が透明ではなくなっている。どうしたら透明になるのか分からない。しかし、このソフト、かなり優れものである。内部を歩いて見ることができる「ウォークスルー」という機能は、実際に家の中を歩き回っているようで、間取りを再確認することができる。値段も1万円弱なので、買っても損にはならないだろう。

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