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断熱性能 耐震性能 耐久性能 外壁の色 外構(砂利)


■断熱性能(基本)
 建物の断熱性を高める必要があるのはつぎの理由による。

人間が過ごしやすいのは室温が一定であること。
         ↓
屋外の温度は常に変動している。
         ↓
室温を一定に保つためには外気の影響を受けにくくする必要がある。
         ↓
建物の断熱性能を高くすることが望ましい。


 屋内の温度を常に一定とすると、断熱性が高い場合には外気との間での熱の出入りが少ないために、温度を一定に保ち続けるためのコスト(光熱費)は少なく抑えられる。一方、断熱性が低い場合には外気との間での熱の出入りが多いため、屋内の温度を一定に保ち続けるコストが高くつく。

 以上は、断熱性能の基本的な考え方である。しかし、屋内に入ってくる熱としては、太陽光もあるので、その点も考慮しないと、夏に暑い建物となる可能性がある。


■断熱性能(Q値とは)
 住宅の断熱性能を示す値としてQ値がある。これは、その値が小さい程、住宅の断熱性能が高いことを示す。通常の住宅ではQ値は、3〜5程度であるが、高性能の断熱住宅(特に寒冷地の住宅)では、Q値が1.5以下のものもある。

 Q値について簡単に説明する。Q値とは、屋内と屋外の温度差が1℃のとき、床面積1m2当たりで1時間に逃げる熱量をいう。例えば、床面積が100m2である住宅で、屋内と屋外の温度差が1℃の場合に、1時間に200カロリーの熱が失われた場合、Q値は2.0(=200/100)となる。

 もう少し具体的に説明する。例えば、延べ床面積が130m2であり、Q値が1.5の高断熱住宅と、Q値が5.0の標準的な住宅について、屋外が0℃の場合に、屋内を20℃に保つために必要な灯油の量を計算してみる。

★高断熱住宅(Q値=1.5)の場合

1.1時間に屋外に逃げていく総熱量:130×1.5×20=3,900(カロリー)
2.逃げていく熱を補うために必要な灯油の量:3,900/8,240=0.47(リットル)
3.1日8時間で1ヶ月(30日)の灯油の量:0.47×8×30=113.8(リットル)
4.必要コスト(灯油1リットル70円の場合):112.8×70=7,896円

★標準的な住宅(Q値=5.0)の場合

1.1時間に屋外に逃げていく総熱量:130×5×20=13,000(カロリー)
2.逃げていく熱を補うために必要な灯油の量:13,000/8,240=1.58(リットル)
3.1日8時間で1ヶ月(30日)の灯油の量:0.47×8×30=379.2(リットル)
4.必要コスト(灯油1リットル70円の場合):379.2×70=26,544円

 コストの差は、1ヶ月で18,648円(=26,544−7,896)にもなる。

 但し、屋内と屋外の温度差が常に20℃であるわけではないし、また、暖房を入れたり切ったりした場合には、その分だけ余分に灯油を消費するので、計算はあくまでも目安と考えて欲しい。


■断熱性能(大熊標準仕様の場合)

 GOPHERの家を大熊工務店の標準仕様で建てた場合のQ値を以下に示す。
なお、大熊工務店の標準仕様では、断熱材は、外壁は厚さ10cm(16kg)のグラスウール(熱抵抗2.37)、床は厚さ4.5cmのネオマフォーム(熱抵抗2.25)、天井は厚さ4.5cmのネオマフォームとなっている。また、サッシはTOSTEMのデュオPG(熱貫流率4.07)である。この場合のQ値の計算過程を以下に示す。なお、柱及び筋交い等は考慮していない。

各部の熱損失
場所 面積 熱貫流率 熱損失 備考
2階天井 54.7 0.40 21.9
1階床 58.1 0.37 21.5
開口部(窓等) 29.4 4.07 120.0
外壁 177.10 0.35 62.0
合計 225.4 (1)

換気による熱損失
換気回数 気積 換気熱損失 備考
0.5 258 38.7 (2)

熱損失合計((1)+(2)) 263.1
延べ床面積 112.8
Q値 2.34

標準の場合はQ値=2.34という結果がでた。まずまずの値である。


■断熱性能(大熊オリジナル工法の場合)

 大熊工務店では、天井に厚さ5.0cmのネオマフォームを追加し、壁内のグラスウールの代わりに厚さ4.5cmのネオマフォームを三角形に切って管柱と筋交いの間に挿入する工法を大熊オリジナル工法として提供している。これについて計算してみる。

各部の熱損失
場所 面積 熱貫流率 熱損失 備考
2階天井 54.7 0.20 10.9
1階床 58.1 0.37 21.5
開口部(窓等) 29.4 4.07 120.0
外壁 177.10 0.36 63.8
合計 216.2 (1)

換気による熱損失
換気回数 気積 換気熱損失 備考
0.5 258 38.7 (2)

熱損失合計((1)+(2)) 254.9
延べ床面積 112.8
Q値 2.26

 計算上では標準の場合と大差はないようだが、管柱と筋交いの間に、三角形に切ったネオマフォームを密着させて嵌め込むことにより、気密性が高まるので、それによる効果(C値の向上)が期待できそうである。また、グラスウールの場合、自重により垂れ下がりが生じ、隙間が生じて断熱性が低下する場合もあるが、ネオマの場合にはそのような事態は生じないと考えられる。さらに、室内の石膏ボードと、ネオマとの間に空間ができることから、壁内で空気が移動可能となり、内部結露の防止にも役立つように思われる。


■断熱性能(大熊標準仕様+高断熱サッシの場合)

 上の計算から分かるように、開口部分からの熱の損失が大きいようである。大熊の標準仕様ではサッシはTOSTEMのデュオPG(熱貫流率4.07)であるが、これをTOSTEMのシンフォニー+LOW−E(熱貫流率2.33)に変更した場合について検討してみた。

  Q値     1.88  

 ネオマフォームを入れるよりも、Q値は下がっている。開口部分の断熱性能が建物全体のQ値に与える影響が大きいことが分かる。

 試しに、真空サッシを使用した場合についても計算してみる。真空サッシの熱貫流率は0.9と圧倒的な数値を有している。

  Q値     1.51  

 Q値は1.51と高断熱住宅並となった。

 以上から、開口部分の断熱性能がいかに重要かが分かると思う。


■断熱性能(大熊標準仕様+ダイキン換気システムの場合)

 上記表における「換気による熱損失」は、文字通り換気によって失われる熱を示している。ところで、一般的な換気では室内の空気を室外に直接排出するため、室内の熱が室外に排出されてしまう。ダイキンの換気システムでは、室外から導入する新鮮な空気と、室内から排出する汚れた空気との間で熱交換をしている。つまり、冬は、室内の暖かい空気で、室外からの空気を暖めてから導入し、夏は、室内の冷たい空気で室外からの空気を冷やしてから導入する。そして、その熱の交換率(熱を回収できる割合)は70%となっている。このようなシステムを利用した場合のQ値について計算してみる。

換気による熱損失
換気回数 気積 換気熱損失
0.5 258 38.7

熱交換による熱の回収
換気熱損失 回収率 実質熱損失 備考
38.7 70% 11.6 (2)

熱損失合計((1)+(2)) 237.0
延べ床面積 112.8
Q値 2.10

 標準仕様のQ値=2.34に比較して、ダイキンの換気システムを導入した場合のQ値=2.10となった。確かに、Q値は改善するのだが、このシステムを導入するために50〜60万円の費用が必要になるので、断熱性の改善のみを目的として導入するのであれば、あまり利口な投資であるとは言えない。例えば、花粉症に悩んでいるとか、道路沿いに建築される家で空気の汚染が気になる場合、それらの改善を主目的として導入する場合にはメリットがあるかもしれない。
 ただ、法律によって導入が義務づけられている24時間換気システム(ダイキンの換気システムではなく、一般の換気システム)は、動作を停止させることができるので、必要に応じてオンまたはオフすることで、調整すればよいのではないかと思う。


■断熱性能(夏の場合)
 以上では、外気から壁(または窓)を伝わって熱が移動する場合を考えたが、夏の場合には、太陽光によって熱が窓から室内に進入する。したがって、夏の場合、室内の温度を一定に保つためには、窓から進入する熱(日射し)を防ぐ必要がある。そのためには、以下の方法が考えられる。

1.南側のひさしの出を長くする。
2.窓の外側にすだれ等を設ける。
3.窓を遮熱複層ガラスにする。

 1.については、最近では、デザインを考慮してひさしを短くしている住宅が多いようだが、夏の日射しの進入を防ぐ観点からはあまりよいとは言えないようだ。

 2.については、簡単でしかも安価にできる対策である。GOPHERの家では、ひさしがの出が短い部分で、しかも、手の届く範囲については、夏期のみ「すだれ」等を設置して、日射し対策とする予定である。

 3.については、ペアガラスの外側のガラスに金属膜を蒸着したものが日光の進入を防ぐ目的で使用される。なお、内側のガラスに金属膜を蒸着したものは、通常のLOW−Eガラスとして、屋内から屋外に熱が流出するのを防止する目的で使用される。GOPHERの家では、吹き抜け部分の窓については、すだれを使用することができない(手が届かない)ので、遮熱複層ガラスを用いている。


■断熱性能(エアコンの性能)
 いくら、家の断熱性能を高めても、使用する冷暖房機器の性能が悪くては、光熱費の削減は望めない。以下では、電気による冷暖房について考えてみる。
 まず、暖房については、以下のものがある。
1.エアコン
2.電気ファンヒータ
3.蓄熱式暖房機
 ここで、2.と3.とは電気を熱に直接変換する点で共通しているが、3.は、発生した熱をレンガ等に蓄えてゆっくり放熱する点が、直ちに放熱する2.とは異なっている。電気を熱に直接変換する訳であるから1kwの電気からは1kwに相当する熱しか発生しない。ただ、3.については夜間電力を使用することから電気代を安く抑えることができる。
 一方、1.のエアコンは、熱を直接発生するのではなく、熱を一方から他方に運ぶポンプの役割をする。例えば、暖房の場合には屋外の熱を屋内に運び入れる。冷房の場合には屋内の熱を屋外に運び出す。したがって、もともとある熱(空気の熱)を利用するから、1kwの電気で1kw以上の熱を運ぶことができる。この効率を示す値が「COP(Coefficient of Performance)」である。最近のエアコンのCOPは、4〜6程度である。COPが6の場合には、1kwの電気で6kw相当の熱を運ぶことができる。暖房の場合には、1kwの電気で1kwの電気ファンヒータ6台分の熱を得ることができるのだ。
 したがって、エアコンを暖房機器として選択する場合には、COPができるだけ大きいものを選択する方が電気代を安くすることができる。
 なお、COPは3種類あることをご存知だろうか。それは、冷房のCOP、暖房のCOP、冷暖房平均のCOPである。これらは機種毎に得手不得手があるので用途に応じて、最適な機種を選択することが望ましい。具体的には、エアコンを冷房機器としてのみ使用する場合は、冷房のCOPが高いものを選択することが望ましいと思われる。また、エアコンを冷房機器と暖房機器の双方として使用する場合には、冷暖房平均のCOPが高いものを選択することが望ましいと思われる。

なお、COPの高いエアコンは、このページで見ることができる。


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